世界に展開するホテルグループの一つ、InterContinental Hotels Group、通称IHG。
このIHGの会員制度、IHGリワーズクラブについてまとめました。安心して海外旅行をするためにホテル選びをしている方、参考にしてください。
目次
IHGと日本にあるホテル
IHGとは
IHGの正式名称はIntercontinental Hotels Group。イギリスに本部を置くホテルグループの総称です。
「インターコンチネンタルホテル」をはじめ、複数のブランドで5,300軒以上のホテルを運営しています。
- インターコンチネンタル (InterContinental)
- クラウンプラザ (Crowne Plaza)
- ホリデイ・イン (Holiday Inn)
- ホリデイ・イン・エキスプレス (Holiday Inn Express)
- ステイブリッジ・スイーツ (Staybridge Suites)
- キャンドルウッド・スイーツ (Candlewood Suites)
- ホテル・インディゴ (Hotel Indigo)
- EVENホテルズ (EVEN Hotels)
- 華邑ホテルズ&リゾーツ (HUALUXE)
- キンプトン・ホテルズ&レストランツ
- リージェントホテルズ&リゾーツ
赤字が日本にあるブランド「インターコンチネンタルホテル」「クラウンプラザホテル」「ホリデイ・イン」です。
日本では 全日空(ANA)と業務提携して設立した「IHG・ANA ホテルグループ ジャパン」として日本各地にホテルを運営しています。また、2019年にはホテルインディゴが箱根に、2020年にはキンプトンホテルが新宿に開業します。
日本でも進化し続けているホテルグループです。
日本にあるホテル
2018年現在、日本には全部で33ホテルあります。
2021年までに開業を予定しているホテルを合わせると37ホテルとなり、国内にある外資系ホテルブランドとしては最大クラスです。*最近マリオットとSPGが合併してできた新生マリオットは、IHGのホテル数とほぼ同数です。
東海地方にはクラウンプラザホテル名古屋しかなかったのですが、2021年にホテルインディゴ犬山有楽苑がオープンしますね。
国内にあるIHGホテルを下の表にまとめてみました。カッコ内は開業予定年です。
北海道 | ・ANAクラウンプラザホテル稚内 |
・ANAクラウンプラザホテル千歳 | |
・ANAクラウンプラザホテル釧路 | |
・ANAクラウンプラザホテル札幌 | |
・ANA ホリデイ・イン札幌すすきの | |
東北/ 信越 |
・ANAクラウンプラザホテル新潟 |
・ANAクラウンプラザホテル新潟 | |
北陸 | ・ANAホリデイ・イン仙台 |
・ANAクラウンプラザホテル金沢 | |
・ANAホリデイ・イン金沢スカイ | |
関東 | (2020年)キンプトン東京・新宿 |
・ANAインターコンチネンタルホテル東京 | |
・ストリングスホテル東京インターコンチネンタル | |
・ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ | |
・ヨコハマ グランドインターコンチネンタル ホテル | |
・ANAクラウンプラザホテル成田 | |
(2019年)ホテル インディゴ 箱根・強羅 | |
中部 | ・ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋 |
(2021年)ホテルインディゴ犬山有楽苑 | |
関西 | ・インターコンチネンタルホテル大阪 |
・ANAクラウンプラザホテル京都 | |
・ANAクラウンプラザホテル大阪 | |
・ANAクラウンプラザホテル神戸 | |
・ホリデイ・イン大阪難波 | |
中国 /四国 |
・ANAクラウンプラザホテル岡山 |
・ANAクラウンプラザホテル広島 | |
・ANAクラウンプラザホテル宇部 | |
・ANAクラウンプラザホテル米子 | |
・松山全日空ホテル | |
九州 | ・ANAクラウンプラザホテル福岡 |
(2019年)ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ | |
・ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル | |
・ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ | |
・ANAホリデイ・イン リゾート宮崎 | |
沖縄 | ・ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート |
・ANAインターコンチネンタル石垣リゾート | |
・ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー |
IHGは他の外資系ホテルブランドと比べて、地方にも多くあるのが特徴。特に中国/四国地方にはほぼIHGのみ。
クラウンプラザホテル岡山に宿泊しました。駅地下で繁華街も近く、電車が見放題。とてもよかったです。
新千歳空港近くのクラウンプラザホテル千歳は、ホテルまでの直行バスが出ていて、非常に便利でした。
日本国内ではANAと提携
全世界にホテルを展開するIHGですが、日本国内ではANAと提携していて、「IHG・ANA・ホテルズグループジャパン」として展開しています。
ANAが赤字となっているホテルは、ANAと提携しているホテルです。後述します通り、ANAカードやANAの上級会員SFCを持っていると、ベネフィットがあります。新規に開業するホテルは別府のみANAが付いているので提携していますね。それ以外は今後わかってくると思います。
ANAと提携している関係で、2018年夏には、ANAのステータス保有者へIHGの上級会員特典を付与、いわゆるステータスマッチがありました。
また、ANAの上級会員であるSFCを持っていると、ベストフレキシブル料金で宿泊したとき、宿泊料が10%引きで朝食が無料となるサービスがあります。朝食が無料はうれしいですね。
公式HPが2つ存在する
ANAと提携することで特典が多いのはうれしい。一方で、ちょっとややこしいこともあります。
それは、公式HPが2つあること。
もう一つは、IHG・ANA・ホテルズグループジャパンが運営するHPです。
どちらも公式HPなので、IHGのベネフィットは同じように受けられます。ただ、IHG・ANA・ホテルズグループジャパンより予約したホテルは、IHGの公式アプリにデータが反映されないことがあります。また、運営が異なるため、日本国内のポイント数が多いボーナスポイントパッケージはIHG/ANAのHPのほうに多くあるなど、プランの違いがあります。
ホテル上級会員の魅力
なぜ、人は上級会員になりたいと思うのか。
上級会員になると、多くの場面でベネフィットが受けられたり、優遇されたりするからです。
そもそも、なぜ上級会員という仕組みがあるのでしょうか。ベネフィットを提供するホテル側のメリットは、上級会員になった顧客が、リピーターになってくれることですね。
いわゆる、サービスを提供する側と提供を受ける側がWIN-WINの関係になるからこそ、成り立つ仕組みです。例えば、ホテル側にメリットがないと感じてしまうと、顧客側にとっては改悪と呼ばれる制度改正が行われてしまいます。
どのホテルの上級会員を目指すのか。
インターネットで検索すると、ホテル修行についてまとめているブログがたくさんあります。
もしタダでなれるなら、すべてを選びたい!
私にとって、それくらいどのホテルの上級会員も魅力的です。でも、もちろんすべてを選ぶことはできないので、私は上級会員になりやすいホテルを選ぶのではなく、泊まりたいホテルの上級会員を選んだほうが良いと思います。
私が選ぶポイントはこちら。
- 日本にあるホテル数が多い
- 子供が多くても添い寝が認められる
- 海外では安心の外資系ホテルに泊まりたい
- ラウンジは必須ではない
IHGは日本国内に多くあり、特に地方にたくさんあります。仕事ではなく旅行を中心に宿泊するため、重要なポイントです。
IHGは原則12歳以下は添い寝が無料。狭くても良いならという条件付きですが、ツインに添い寝3人もOKとのことでした。
クラウンプラザホテル熊本
香港クラウンプラザ九龍東
IHGリワーズクラブ
IHGリワーズクラブとは
IHG rewards clubは、そのIHG系列のホテルで様々な特典が受けられるロイヤリティホテルプログラムです。
外資系ホテルには類似のプログラムが準備されていて、FGP(Frequent Guest Program)などと呼ばれています。
日本のビジネスホテルにもありますね。例えば、東横INNには10泊泊まると1泊無料になる「東横INNクラブ」などです。
IHGリワーズクラブのステータス
IHG Rewards clubでは、毎年1/1〜12/31の宿泊数や獲得ポイントに応じてクラブ、ゴールド、プラチナ、スパイアと4段階のステータスがあります。
クラブ会員
クラブ会員は、IHGリワーズクラブに登録するだけで得られる資格です。じゃらんや楽天トラベルなどの旅行代理店から予約した宿泊との差別化ですね。例えば、じゃらん経由で予約するとじゃらんのポイントが付与されますし、公式サイトから予約すると、以下の特典を得ることができます。また、IHGは最安値保証を謳っていることから、公式サイトで予約したほうが確実に安くなります。
クラブ会員の主な特典
- 宿泊料金に応じたポイントやマイルの獲得
- ポイントを使った無料宿泊特典
- 無料インターネット
- 専用フリーダイヤルでの予約
この中で意外と使えるのが専用フリーダイヤルです。
ホテルによって、公式には記載されていないオリジナルルームがあります。例えば、熊本ならくまモンルームとか。そういったリクエストをするには、専用フリーダイヤルが便利ですね。
ゴールドエリート会員
10泊の宿泊または10,000ポイントを獲得すると、ゴールドエリート会員になります。
また、インターコンチネンタルアンバサダーに入会すると、IHGリワーズクラブのゴールドエリート会員資格が付与されます。インターコンチネンタルアンバサダーはIHGの中でインターコンチネンタルブランドのみに適用される、有料会員資格です。年に数回、インターコンチネンタルに宿泊する予定のある方は、検討する余地がありますね。私も入会しています。
ゴールドエリート会員の主な特典
クラブ会員特典に加えて以下の特典が追加されます。
ボーナスポイント10%
プライオリティチェックイン
ポイント有効期限なし
プラチナエリート会員
40泊の宿泊または40,000ポイントを獲得すると、プラチナエリート会員になります。
プラチナエリート会員になってうれしいサービスは、無料の客室アップグレードですね。予約した部屋よりも良い部屋に案内されたときはとても嬉しかったです。
ちょっと残念なのは、プラチナエリート会員になっても、「朝食が無料」とか「クラブラウンジへのアクセス権」とか、魅力的なサービスが得られません。ホテルがメインの方にとっては、ちょっと残念ですね。
一方で、元々最安値の部屋を取って観光をメインにしている私のような人にはちょうどよいです。ラウンジに行きたければお金を払えばよいですし、上級会員への開放がないおかげでラウンジが混雑するようなことはありません。
プラチナエリート会員の主な特典
ボーナスポイント(10%→50%)
客室保証サービス
無料の客室アップグレード
エリート繰越宿泊
スパイアエリート会員
75泊の宿泊または75,000ポイントを獲得すると、スパイアエリート会員になります。
75泊というと1年の1/5以上、毎週1泊でも足りません。長期滞在していないと難しいので、一般には75000ポイント獲得を目指すことになります。
正直に言って、得られる特典はプラチナエリート会員と大きくは変わりませんが、午前10時からのアーリーチェックインはちょっと優越。深夜便で海外旅行へ行ったとき、到着してすぐにチェックインできます。
選択式特典で、家族がプラチナステータスを得られるのは、大家族にとってはうれしいかもしれませんが、限定的なサービスでしょう。
隠れた特典として、プラチナエリート会員よりもグレードの高い部屋へアップグレードされます。ホテルによって違いますが、プラチナ会員は一般の客室まで。それに対して、スパイアエリート会員はスイートまでアップグレードされます。
このスパイアエリート会員の特典(アップグレードはプレミアムフロアまで)と、インターコンチネンタルアンバサダーの特典(アップグレード保証)を組み合わせると、スイートまでアップグレード保証になります。
一例はこちら。すべて体験談です。
インターコンチネンタルバリ
インターコンチネンタルバリでは、スイートに泊まったところ、アップグレードを受けられませんでした。ただ、代わりのサービスが凄かったので、文句は全くありません。
インターコンチネンタルシンガポール
インターコンチネンタルアンバサダーのスパイアエリート会員がインターコンチネンタルシンガポールに宿泊するときのアップグレード保証はこんな感じ。赤字の部分がスパイアエリート会員のみの特典です。つまり、スイートに泊まりたかったら、グランドデラックスルームを予約すればよいですね。
クラブヘリテージ(キング&ツイン)
→クラブインターコンチネンタル(キング&ツイン)
→クラブグランドデラックス(キング)
→プレミアスイート(キング&ソファーベッド)
→ヘリテージスイート(キング)
→エグゼクティブスイート(キング)
スパイアエリート会員の主な特典
ステータス獲得・更新時の選択式特典を提供(25000ポイントまたは他の会員へプラチナステータスを付与)
ボーナスポイント(50%→100%)
午前10時からのアーリー・チェックイン
グレードの高い部屋へアップグレード
ステータスの上級会員特典まとめ
上級会員特典をまとめました。
特典 \ 会員 | クラブ | ゴールド | プラチナ | スパイア |
獲得条件 | 無料 | 10泊 or 10,000pt | 40泊 or 40,000pt | 75泊 or 75,000pt |
ポイントまたはマイルの獲得 | ○ | ○ | ○ | ○ |
YOUR RATE(会員専用料金) | ○ | ○ | ○ | ○ |
専用電話によるカスタマーサービス | ○ | ○ | ○ | ○ |
無料宿泊特典(ご利用除外日なし) | ○ | ○ | ○ | ○ |
ポイント宿泊をエリートステータス獲得の必要宿泊数にカウント | ○ | ○ | ○ | ○ |
無料インターネット接続 | ○ | ○ | ○ | ○ |
チェックアウト時間の延長 | ○ | ○ | ○ | |
ポイントは有効期限なし | ○ | ○ | ○ | |
プライオリティ・チェックイン | ○ | ○ | ○ | |
基本ポイントに加え獲得するボーナスポイント | 10% | 50% | 100% | |
エリート繰り越し宿泊 | ○ | ○ | ||
無料客室アップグレード | ○ | ○ | ||
72時間前までの客室保証 | ○ | ○ | ||
ステータス獲得・更新時に選択式特典を提供 | ○ | |||
ハーツGoldプラス・リワーズ Five Star®ステータスへの限定アップグレード | ○ | |||
午前10時からのアーリー・チェックイン | ○ |
手っ取り早く上級会員になるには?
そこそこお値打ちで、かつ優雅に旅行を楽しむなら、上級会員を獲得するのがお勧めです。
じゃあ、どうしたら簡単に上級会員になれるのでしょうか。
①ポイントパッケージを利用する。
IHGはポイントパックが準備されています。
IHGの上級会員になるには、これが最も一般的な方法でしょう。例えば国内だと、クラウンプラザホテル京都に5000ポイントパッケージ、クラウンプラザホテル名古屋や長崎に4000ポイントパッケージがあります。
クラウンプラザホテル京都はエリート会員になるとリノベーションルームにアップグレードしていただけます。
海外だと、60ドルで宿泊できる5000ポイントパッケージがおすすめ。バリ島のホリデイインエクスプレスや韓国のホリデイインエクスプレス等がありますね。
私はバリ島のホリデイインエクスプレスに宿泊したことがあります。
②インターコンチネンタルアンバサダーに入会する。
インターコンチネンタルアンバサダーはインターコンチネンタルのみの会員資格ですが、この資格にIHGのゴールドエリート会員が付与されるので、自動的に上級会員になることができます。
ハードルは、入会金25000円または40000ポイントと気軽に入会するには少し高いこと。今後、インターコンチネンタルへ泊まりたいと考えている方は、週末無料宿泊券がもらえるので、入会すると良いと思います。私も入会しています。
まとめ
インターコンチネンタルホテルズグループのIHGリワーズクラブの仕組みについてまとめました。
どうしてもラウンジに無料で行きたい!という方はIHGは避けたほうが良いでしょう。でも、上級会員に開放されていないIHGのラウンジは、混雑しておらずとても快適でした。また、バリ島のようにインターコンチネンタルアンバサダー会員が一部の部屋に宿泊するとラウンジアクセスが付与されるようなサービスもあります。
こういったサービスはホテルオリジナルサービス。ホテルへ直接問い合わせるしかないですね。
1年以上、約20のホテルに宿泊してわかったことが多数あります。このページには書ききれないので、それはまた後日。
行ってみたいIHGのホテルはたくさんあります。一つはボラボラ島にあるインターコンチネンタルタヒチ。水上ヴィラに泊まってみたい。4トラベルの旅行記を貼っておきます。
ベトナム、ダナンにあるインターコンチネンタル ダナン サン ペニンシュラ リゾートへもぜひ行ってみたい。
今まではホテル自体には興味がなかったのですが、IHGを知ってからは泊まってみたいホテルができました。
ポイントブレイクなど、キャンペーンも多いですね。ご参考にどうぞ。