航空券の予約や空港で使われる言葉。
普段の生活で耳にする言葉とは違うものが多く、慣れるまでは戸惑うことがあると思います。
今回はその中で、乗り継ぎ時に出てくる、「トランジット」「トランスファー」「ストップオーバー」についてまとめました。
目次
各言葉の本来の意味
まず最初に3つの言葉の本来の意味から。
*ここでは飛行機についての説明です。
①トランジット
機材の変更を伴わない24時間以内の「乗り換え」や「乗り継ぎ」
途中寄航ともいう。
国内/海外を問わないので、国内線/国際線を機材変更せずに乗り継ぐ場合、国内線/国内線を機材変更せずに乗り継ぐ場合も本来はトランジットである。
(ただし、国内線は1区間ごとの料金であり、誤解を防ぐためにトランジットという表記はしていない)
(例) 飛行機でA空港からC空港へいくときにB空港を経由するとき、飛行機を乗り換えない。
②トランスファー
機材の変更を伴う24時間以内の「乗り換え」や「乗り継ぎ」
国際線で自国を含まない区間を飛ぶとき、「以遠権を行使したフライト」ともいう。
国内/海外を問わないので、国内線/国内線を異なる機材で乗り継ぐ場合も本来はトランスファーである。
(ただし、国内線は1区間ごとの料金であり、誤解を防ぐためにトランスファーという表記はしていない)
(例) 飛行機でA空港からC空港へいくときにB空港を経由するとき、飛行機を乗り換える。
③ストップオーバー
飛行機の変更の有無に関係なく、24時間以上の「乗り換え」
上の説明が3つの言葉の本来の意味です。
実際に「ストップオーバー」はこの意味で使われており、「ストップオーバー」を伴うかどうかで、必要な税金が変わることが多いです(多くの航空会社の場合)。
一方で、トランジットとトランスファーはあまり区別されていません。というか、最近はすべてを含めてトランジットと呼んでいることが多いようです。
乗り継ぎに関する各社の見解
乗り継ぎについて、航空会社はどのように呼んでいるのでしょうか。
ANAの場合
ANAが公式に作成している「CAクチコミHOW TO:Latte編集委員ワイワイ座談会」には以下のように記載されています。
直行便がない場合の飛行機の乗り継ぎのこと。時間が中途半端にあいてしまうことも多く、空港の外に出ることもできないので、暇つぶしできるアイテムを持っていると便利。
つまり、ANAではトランスファーをトランジットと呼んでいて、区別していないようです。
英語サイトでも乗り継ぎのことをトランジット(Transit)と呼んでいます。
JALの場合
JALは、これは!と思うようなページが見つかりませんでしたが、途中降機なしの場合をトランジットと呼んでいるようです。トランスファーについては記載が見つかりませんでした。
沖縄探訪 美ら島物語〜風景〜島袋浩「島グラファー道場」第94回「うふあがり島、北大東島へ」
https://www.jal.co.jp/tabi/info/apo/jpn/img/hnd_transit.pdf
キャセイパシフィック航空の場合
キャセイでは、機材の変更を伴う24時間以内の「乗り換え」や「乗り継ぎ」の場合をトランスファーと呼んでいるようです。実際に24時間以内に乗り継ぎを行うけど搭乗券を持っていない場合は、「トランスファーデスク」へ行くことになっています。
タイ航空の場合
タイ航空では、乗り継ぎのことをトランスファーと呼びます。
ルフトハンザ航空の場合
ルフトハンザ航空では、乗り継ぎをトランスファーと呼びます。
http://www.lufthansa.com/jp/ja/Enjoy-more-convenient-transfers
トランスファーとトランジットで値段が変わらない例
大抵の場合、トランスファー便はトランジット便や直行便よりも高くなることが多いですが、値段が変わらない場合もあります。
①同一航空会社を乗り継ぐ場合
キャセイでは、直行便、トランスファー便(TPE乗り継ぎ)、トランジット便(TPE乗り継ぎ)、ともに同じ値段です。
トランジット便(同一機材)はTPE乗り継ぎですが、TPEに何時に着くのかわかりません。同じ機材だから、心配するなということでしょうか?
一方で、トランスファー便(違う機材)はTPE到着時刻が明記されています。どちらも一度機材から降りるのに不思議ですね。
②提携航空会社を利用する場合
航空会社を2社使っても、ルートによっては安くなります。TYO-KULの例ですが、直行便でもSIN乗継便でも同じ値段です。
ちなみに、日本発ではこの値段を検索できなかったので、画像はKUL発のチケットになります。
まとめ
トランジット、トランスファーを中心に乗り継ぎについてまとめましたが、海外航空券を検索するにあたって、トランジットとトランスファーの違いを知る必要があるかというと、ほとんど必要はないと思います。
さて、タイトル「トランジットかトランスファーか、飛行機の乗り継ぎとしてどちらが正しい?」の答え発表。今はどちらも正しいです。
使い方が一緒なら、これら言葉を知ってても意味ないじゃん!って思いますよね。
そんなことはありません。知っているとどんな時に有効なのか?
それは、海外の空港で乗り継ぎをするときです。
日本では乗り継ぎをトランジットと呼びます。その感覚で、海外の空港で「トランジットカウンター(Transit counter)はどこだっけ~?」と思って探していると、なかなか見つかりません。だって、多くの海外の空港で乗り継ぎに使われるカウンターは「トランスファー(Transfer counter)」ですから。
TransitとTransferがほぼ同義で使われていることを知っていると、海外の乗り継ぎの空港で焦らずにすみますね。
違いが比較的わかりやすいストップオーバーは詳しく書きませんでした。これはまたの機会に詳しく書きたいと思います。
日本じゃあまり耳にしないトランスファー。知らなかった方はこの機会に頭の片隅に入れておきましょう。
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