JALの上級会員であるサファイアになること、通称JGC修行。昨今では、テレビでもエアラインの上級会員が使えるラウンジが紹介されたり、かなりブームになっていますね。
FOP修行には50回搭乗する回数修行と5万FOPを貯める2つの方法があります。回数修行は安く行けるのが魅力ですが、私はいろいろなところに飛ぶ5万FOPのほうが好みのため、いかにいろいろなところへ行ってFOPを貯められるのかを考えています。
その中で、けっこうおもしろい発券方法を見つけましたのでご紹介します。JGCを取りたい方に重きを置いた記事ですが、修行とは関係なく、通常の週末弾丸旅行にも有効ですので、ぜひ参考にしてください。
注:本記事は、いかに安くJGCを取るかを考えている方には参考になりません。海外旅行を楽しみながらJGCを取りたいという方にお勧めです。
目次
FOPが一番貯まるのは倍率1.5倍のアジア、オセアニア路線。しかし、、、
FLY ON ポイント、通称FOPって何?
FOPを貯めるには、FOP単価の良い路線が一番です。国際線に限ると、FOP単価が良いのは、倍率が1.5倍となる中国・香港・アジア・オセアニア路線です。その中でも、便数が多くてFOPが稼げるシンガポールや、FOPが圧倒的に多いシドニーは修行僧にとって人気の路線です。
でも、週末しか休みのないサラリーマンにとって、シンガポールの修行をするのは非常に悩ましい。なぜなら、往復で格安で販売されるチケットには制限があるんです。
エコノミークラス Saver S 東南アジア行
有効期間(出発日の翌日から数えます):2日以上2ヵ月以内
そう、2日以上というのは、出発日を含めて3日間。3日間というと、どんな公邸になるのでしょうか。
シンガポールの場合
シンガポールの行程を組もうとすると、可能なのは、以下の2パターン。
①金曜日17:55成田発、日曜日6:00羽田着。
②土曜日0:05羽田発、月曜日9:45羽田着。
通常、会社で働いている方は、①は退社後の空港到着が間に合わない、②は空港出発後の出社が間に合いません。
バンコクはどうか?
シドニーは遠いので、週末は厳しいです。代わりに人気のあるバンコクを考えてみました。しかし、やっぱり駄目ですね。行きの日本発深夜便は土曜日0:05発なのですが、帰りは日曜日23:25バンコク発しかありません。
名古屋着なら可能性あり
セントレア発着の方は、バンコクなら週末のフライトが可能です。東京への乗り継ぎがあるたm、東京発着よりFOPもマイルも多くたまりますね。
クアラルンプールなら・・・・
クアラルンプールはどうでしょうか。はい、クアラルンプールは金曜夜発、月曜早朝帰りのフライトが発見できます。
獲得できるのは5808FOP(2904×2)で、60220円。これは最安値ですが、単価10.3円なので1回行く分には悪くないですね。でも、インターだけで取ろうと思うと、これを9回も繰り返すことになります。全く面白みがない!
週末だけで修行する場合は、海外発券しかないのでしょうか。。。
ちなみに、私がJGC修行をしたときは、クアラルンプール発券しています。JGCは効率重視だったので良かったのですが、観光時間がほとんど取れませんでした。これはちょっともったいなかったです。
日本発券だけで海外2日間が満喫できるJGC修行!
海外発券はお得だし、変更も安くてよいです。でも、同じ国に1度は戻らなくてはいけない、最初と最後のフライトをどうするのか考えなくてはいけない、などという欠点があります。
航空券の予約に慣れた方なら、海外発券をどんどん繋いで行けるのですが、けっこうルートについて悩むところも多いです。
そういう方にとって、日本発券(日本発日本着)で、1回の旅行で航空券が完結するのは魅力がありますね。なんとか日本発券でうまいフライトができないか、考えたところ、とうとう見つけました。
キーワードはクアラルンプール行きとオープンジョー
日本発の航空券は「Saver H/K/M/L/V/S」がお得です。これは変えようがありません。Saverを満たすには、先述の3日間の行程にする必要があるため、①金曜日23:59までに日本出発、②月曜日0:00以降に海外出発、のどちらが満たせばよいのです。
クアラルンプール(KUL)行き
東京発で①を満たせるのは、成田発KUL行きのマレーシア航空との共同運航便「JL7093」のみでした。それ以外の便は羽田発のほとんどは0時を超えた出発です。成田発は18時前後の出発ばかりです。②を満たせるフライトは見当たりませんでした。
結局クアラルンプール往復なら可能にはなるのですが、それだけやってても面白くないです。最初にも書いたように、同じ空港を往復するだけなら、海外発券を行ったほうが得です。せっかくだし違う国にも行きたいですよね。
オープンジョー発券
行きはNRT-KULのチケットを買えばいいことがわかりました。でも、帰りもKULから帰るのじゃつまらない。じゃあ、帰りはどうするの?
ここでオープンジョー発券の出番です。オープンジョーとは、こちらの記事をご覧ください。ANAの特典航空券に関する記事ですが、オープンジョーについてまとめています。
簡単に言うと、JALやANAでいう「オープンジョー」とは、行きの出発国と到着国が同じ日本で、行きの到着地(国)と帰りの出発地(国)が異なるチケットです。渡航先の国同士は陸地や別手配の飛行機で移動することになりますね。
つまり、行きは「NRT-KUL」で帰りは「各地-日本」というチケットを買えばいいんです。
「クアラルンプール(KUL)」から「各地」へはどうする?
オープンジョーでKULに着いた後、他の国(各地)へはどうすればいいのでしょうか。選択肢はいくつかあります。
少しでもFOPを貯めたい場合
KULを拠点とするマレーシア航空は、ワンワールド加盟です。そして、マレーシア航空はJALやANAと違い、片道発券が往復発券のほぼ半額です。そして安い!いくつか例を挙げてみます。貯められるFOPは券種によって異なりますので、ご自身で確認してみてください。
①KUL⇒BKK(バンコク)
日本発の便が多いバンコク(BKK)行きは1日6便。9時発から22時発まであるので、KULを素通りするか、一日KULで遊んでからバンコクへ行くのか、好きなようにに選べますね。
②KUL⇒HAN(ハノイ)
HANも日本から直行便があります。ここは1日1便ですが、1万円程度で使えますね。
スターアライアンスゴールドメンバーの場合
SFCを持っている方はタイ航空やシンガポール航空を利用するとKULのラウンジが使えます。
①KUL⇒BKK(タイ航空)
11000円ほどでバンコク行きがありますね。KULで1日遊ぶ場合は、8000円ほどの21:05発が便利です。
②KUL⇒SIN(シンガポール航空)
シンガポール航空は1時間のフライトですが、1日8便飛んでおり、使いやすいです。近すぎてPPもマイルもほとんど貯まらないので、シンガポールへ行くという目的に使いましょう。お値段は8000円ほど。
LCCを使う場合
エアアジア
クアラルンプールを拠点とするLCCと言えば?真っ先に思いつくのはエアアジアですね。エアアジアはクアラルンプール国際空港にLCC専用ターミナルKLIA2を作るのに大きな影響を与えた、マレーシア最大のLCCです。クアラルンプールから東南アジアの主要都市のほとんどへ就航しています。エアアジアが発着するのは、JALやANAが発着するKLIAではなく、KLIA2ですので注意してください。バスで20分、電車で5分ほどです。
公式HPはこちら。日本語サイトが完備されているので、予約しやすいですね。
エアアジアはバンコクやシンガポール、ベトナムなど有名都市すべてに就航していますので、ここでは少しレアな路線のご紹介です。
①KUL⇒REP(シェムリアップ)
カンボジアのアンコールワットがあるシェムリアップ。エアアジアはここへも就航しています。プロモーション価格とはいえ、2時間のフライトで諸税込み3000円はほんとうに安いですね。通常は7500円程度ですが、エアアジアは頻繁にセールをやっていますので、それに乗っかれる機会は多いと思います。
②KUL⇒DPS(デンパサール)
エアアジアからデンパサール(バリ島)は非常に多くの便が出ています。この日なら乗り継ぎの良い早朝便だと3500円ほどですね。3時間のフライトでこれは安い!この値段ではなくても、1日9便も飛んでいるので、好きな時間に乗ることができます。
マリンドエア
日本では馴染みの少ないマリンドエア。インドネシアのライオンエアとマレーシアの企業が共同で2012年に設立したLCCですが、マリンドエアはLCCなのに一般のLCCとは一線を画すエアラインです。
最近では2017年8月23日にANAとインターライン契約を締結したことで話題になりました。
何が一般のLCCと違うのか。実はこんなに違うところがあります。
〇エコノミークラスとビジネスクラスの2クラス制。
〇機内食(軽食、ドリンク)が無料。
〇預け荷物が国内線15kg、国際線30kg(15kg×2)まで無料。
〇全席液晶モニターを完備。
〇座席のシートピッチは81cm。
これだけのサービスが付いて、料金は一般のLCCと同じ。本当ですか?と疑いたくなりますね。ちなみにJALやANAの国内線のシートピッチが79cmですので、それと同等以上ということになります。
プレミアムLCC?全席液晶&機内食のマリンドエア | LCC STYLE
公式HPはこちら。
Malindo Air - Smarter Way To Travel
さて、気になるフライトスケジュールですが、いくつか挙げてみます。
①KUL⇒SGN(ホーチミン)
ホーチミンはJALが就航している都市のひとつです。KULには早朝に到着しますが、ちょうどよい便がありますね。2時間で約6500円とお手頃な価格です。
②KUL⇒PNH(プノンペン)
マリンドエアはカンボジアのプノンペンにも飛んでいます。乗り継ぎも3時間程度と許容できる時間ですね。そしてお値段はまさかの4500円!プロモーションとはいえ、この値段でいいんですか?機内食も機内エンターテイメント視聴も付くんですよ。
以遠権フライトを使う場合
以遠権とは、「国際航空運輸において、自国から相手国を経由して、相手国からさらに先にある別の国への区間についても営業運航を行なう権利」のことです。
クアラルンプールも大きな空港で、いくつかのエアラインによる以遠権フライトが楽しめますね。
代表例はKLMオランダ航空(ジャカルタ)とロイヤルヨルダン航空(バンコク行き)が有名ですね。しかし、ロイヤルヨルダン航空は土日のフライトがありませんので、ここでは割愛します。
KUL⇒CGK(ジャカルタ、KLMオランダ航空)
KLMオランダ航空がクアラルンプールからジャカルタへ飛んでいます。KLMオランダ航空はスカイチームメンバーですので、SFCやJGCを持っていても、上級会員が受けられるサービスはありません。しかし、オランダ航空のフライトを5000円で体験できるのは非常にお得ですね。
ラウンジを使いたい方はビジネスクラスもお得です。クアラルンプール空港にはスカイチームのラウンジがありませんが、代わりに「プラザプレミアムラウンジ」が利用できます。ラウンジを利用できて、ビジネスクラスに乗れて、15000円なら選択肢の一つになりますね。
結局、どんなルートが発券できるのか?
前置きが長くなりましたが、ここからは具体的なフライトの紹介をしたいと思います。
お勧めフライト①
NRT-KUL/KUL-REP/REP-BKK/BKK-NRT
3月9日(金)21時40分に成田を出発し、3月12日7時15分に成田へ到着します。成田は遠いですが、7時頃であればイミグレも混んでいないので、問題ないと思います。
最初はマレーシア航空でクアラルンプール、エアアジアを使ってシェムリアップへ行き、1泊。1泊2日のシェムリアップを楽しんだ後、バンコクエアウェイズでバンコクへ行き、JALで成田へ戻ります。6500円アップとなりますが、帰国に羽田便を選ぶこともできます。
FOPについて計算してみましょう。
なお、クアラルンプールから各地への移動費用は変動が大きいので除いています。
獲得できるのは5673FOP(2904+217+2552)、かかる費用は68720円なので、単価は12.1円。最安値だと64720円の単価11.4円ですが、単価だけが気になる方としてはもう一声欲しいところ。でも、仕事を休まない週末を使って、かつ修行としてシェムリアップに行けるルートってなかなかないですよ。普通に行こうとすると、もっと高くなります。単純往復では行けない修行だと思うとお得感があると思います。
注意点は2つ。
〇マレーシア航空はKLIA、エアアジアはKLIA2なので、クアラルンプール空港で移動が入ることですね。3時間以上あるので問題ないですが、LCCは45分前にはチェックインを締め切ってしまうので注意してください。
〇シェムリアップは1泊が必須なので、エアアジアのフライトを日曜日にしないでください。入国を拒否されることも多々あるようです。
JALの予約画面
エアアジアの予約画面
細かいことですが、検索最初の画面はこちら。なぜか、シェムリアップからバンコクまでがバンコクエアウェイズの便名になっています。これだと、おそらくFOPが付かないので注意してください。
お勧めフライト②
NRT-KUL/KUL-SGN/SGN-HND
3月9日(金)21時40分に成田を出発し、3月12日6時55分に羽田へ到着します。
最初はマレーシア航空でクアラルンプール、マリンドエアを使ってホーチミンへ行き、1泊。1泊2日のホーチミン観光を楽しんだ後、JALで羽田へ戻ります。羽田は都心に近くて便利ですね。山手線近くのオフィスなら、エクストリーム出社(自宅に帰らない出社)可能です。
FOPについて計算してみましょう。
なお、クアラルンプールから各地への移動費用は変動が大きいので除いています。
獲得できるのは5334FOP(2904+2430)、かかる費用は57220円なので、単価は10.7円。仕事を休まない週末を使って、ホーチミンをまるまる2日間観光できるのはいいですね。メコン川クルーズなんて楽しそうです。アレンジとしては、ホーチミンではなくダナンを2日間にするのもありだと思います。
JALの予約画面
マリンドエアの予約画面
JALのオープンジョーってどうやってとるの?
オープンジョーだと旅行範囲が広がるのは先述の通りです。じゃあ、JALのオープンジョーはどうやって発券するのでしょうか?ここでは手順を説明します。
①「往復」の下にある「片道や往路・袋で発着地が異なる場合」をクリック。
②往路・袋の出発日を入力。
③日付の下にあるエリアを選択。JALのHPからは同じエリアからしかオープンジョー発券ができません。ANAのようにNRT-SIN/HKG-NRTみたいなチケットは発見できないということですね。
④出発都市と目的地、到着都市を選んで、「次へ」を押す。
日本国内ならOKなので、出発は成田、到着は関空、みたいなチケットも発券可能です。
⑤そうして出てきた画面がこちら。ここからは、通常のチケットと同じなので、割愛します。
まとめ
JGC修行の目的は、仕事で取れてしまう方、特典旅行を目指して取る方、貯まったマイルの消費先として取る方など様々だと思います。
そして、JGCの取り方としても国内の回数修行や5万FOP、インター中心など、様々です。
ただ、JGCを取った身として、これだけは言いたい。
JGCの権利取得を目的とするのはもったいない!
JGCの過程を楽しむのもあり、JGCを取った後に旅行をするのもありだと思います。いろいろな楽しみを発掘して、JGC修行を楽しみましょう。
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