香港エクスプレスのグアム線就航とセントレアのLCC事情
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香港エクスプレスがセントレアーグアム間を2017年10月29日より週3便(火・木・土)就航します。

www.traicy.com

 

え、香港エクスプレスって香港以外に拠点はあったっけ?

気になったので、まとめてみました。

 

 

 

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追記:グアム線の就航が延期

 

非常に残念ですが、セントレアーグアム線の就航発表から1か月半。まさかの就航延期の発表となりました。「地政学上の懸念」と書かれており、北朝鮮のミサイル問題が大きな影響を与えているのは間違いないでしょう。

再開予定は「2018年の夏休み時期」とありますので、是非とも期待したいところです。それまでに情勢の変化があるといいですね。

 

flyteam.jp

www.hkexpress.com

 

香港エクスプレスは、就航を予定しておりました、名古屋-グアム線につきまして、同地域の地政学上の懸念を考慮し、就航を延期することを決定いたしました。すでに航空券を予約されたお客様には、下記の2つのオプションで対応させていただきます。

  1. 2018年10月31日以前に出発する、香港エクスプレスが就航している路線から、新しい目的地を選択(運賃の差額が発生する場合がございます。また、ご予約は座席の空席状況によります)
  2. 全額払い戻し

オプション1を選択いただいたお客様は、1度に限り、手数料不要で、便の振り替えを行っていただけます。さらなる変更が必要な場合には、購入された運賃での運賃規則および条件に従って適用される料金に準じます。

お客様には、これらの2つのオプションのいずれかを選択いただき、2017年10月31日までに香港エクスプレスまでご連絡をお願いいたします。期日までにご連絡いただけない場合には、自動的に全額払い戻しの対応となります。

 

 

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香港エクスプレスとは

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香港エクスプレス航空は香港を拠点とするLCCです。当初はフルサービスキャリアとして設立しましたが、しばらくしてLCCへ方針転換しています。

拠点となるハブ空港は香港国際航空のみ。セントレアはおろか、香港以外に拠点となる空港は世界中どこにもありません。

香港エクスプレス航空 - Wikipedia

 

 

2017年10月29日から就航するセントレアーグアムのダイヤ(火・木・土)はこんな感じ。

UO56 名古屋/中部(13:00)〜グアム(17:50)
UO57 グアム(19:10)〜名古屋/中部(22:10)

 

 

セントレアは香港エクスプレスの拠点ではないのですが、この飛行機はいったいどこから来るのでしょうか?

 

 

2017年10月28日までの香港エクスプレスの夏期ダイヤは、香港ーセントレアは週12便が運航しています。正確には、搭乗率良好を理由に、週7便だったのを2017年7月12日より週12便へ増便しています。

 

www.traicy.com

 

具体的にはこんな感じです。ちょっとわかりにくいですが、UO1584が毎日、UO1566が週5便ですね。

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夏ダイヤでは香港ーセントレア間は週12便だったのが、2017年10月29日の冬期ダイヤより週10便へ減便するようです。

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そのうちのUO56/UO57がグアムへ就航するんですね。

 

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セントレアーグアムはどちらも香港エクスプレスのハブ空港ではないので、以遠権フライトですね。

以遠権(トランジット)については、こちらで説明しています。

www.resortmiler.com

 

 

以遠権を使ったフライトは、基本的に相手国との調整になります。香港/日本間は、2016年12月5日から9日にかけてバハマで開催された、「ICAN(ICAO Air Services Negotiation Event)2016」に日本が初参加し、これまで香港から成田、セントレア、関空、福岡経由でのソウル便が週4便という制約だった以遠権フライトについて、セントレア経由グアム、サイパン行きが週7便運航できることが決まりました。

 

報道発表資料:ICAN2016における航空当局間協議・意見交換の結果について - 国土交通省

www.travelvision.jp

 

つまり、2016年12月からセントレアーグアム便の計画は進行していたんですね。

今回、セントレアーグアムが週3便なので、まだ増やす余地はあります。残りの4便をサイパンに充てるのか、グアム便を拡充するのか。今後の搭乗率次第ですが、楽しみですね。

 

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セントレアのLCC事情

 

日本のLCC元年と呼ばれた2012年から今年で5年。

関空や成田はかなりLCC比率が高くなりましたが、セントレアはまだまだ全然。

LCCの比率が、関空が4割、成田が3割というのに対して、セントレアは1割ですからね。2017年の国交省の報告書にまとめられています。

中部国際空港の近況 - 国土交通省

 

空港にLCCが定着するためになくてはならないもの。それはLCC専用ターミナルのような、LCCに搭乗する人と航空会社の両方が、使いやすい空港です。

セントレアにはようやく2019年に上期にLCC専用ターミナルが完成予定です。

flyteam.jp

セントレアにしかないB787展示施設と直結するなど、よいアピールができるといいですね。

 

セントレアのLCC専用ターミナル建設の発表直後、今度は2017年5月24日にジェットスターがセントレアの拠点化を発表しました。ジェットスターは以前からセントレアー千歳便がありましたが、羽田ー千歳の後に千歳ーセントレアと飛んでくるので、セントレア発の朝一便がありませんでした。今後は柔軟な運航体制が期待できますね。

travel.watch.impress.co.jp

 

セントレアーグアム便はどうなるのか。

 

グアムと言えば、かつては日本から一番近いアメリカとして、日本人観光客が非常に多かった時期がありました。最近破産したてるみくらぶなど、グアム行きのツアーは非常に安かったです。私もてるみくらぶで何回かグアムへ行きました。

グアムは一時期に比べて日本人観光客が減った一方で、韓国や中国からの観光客が増えているようです。

toyokeizai.net

 

なぜ日本人が減って韓国人、中国人が増えたのか。それは、日本からのツアー代金が当時の3万円以下から7万円近くまで跳ね上がっていることが可能性の一つとして考えられます。

ビジネス路線ではない以上、旅行者増減のカギを握るのは、運賃と言ってしまっても過言ではないと思います。今までセントレアーグアム間はユナイテッド航空の独壇場でした。ここにLCCの香港エクスプレスが入ってくるとどうなるのか。そう、価格破壊です。以前の3万円以下まで下がるかどうかはわかりませんが、確実に6万以下になるでしょう。香港エクスプレスが2万台、ユナイテッドが4万円程度まで安定的に下がれば、需要は十分に掘り起こせると思います。

 

まとめ

 

香港を拠点とする香港エクスプレスの、まさかのセントレアーグアム便。セントレアを拠点とする私にとって、期待するところは大きいです。

 

最近では、国内にカジノを誘致する動きが活発となってきて、空港直結のセントレアは有力候補です。

2017年8月1日には、大村愛知県知事が大学教授6人で構成される研究会を立ち上げました。カジノに来る客はLCCを利用することが多く、カジノ誘致が決まれば、セントレアにとって追い風になりますね。

casino-ir-japan.com

 

セントレアは東海地方を中心としていて、人口が少ないエリアだとみられがちですが、セントレアまで公共交通機関(在来線)を使って1時間半程度で行けるのは愛知すべて、岐阜8割、三重7割の地域が該当するので1000万人以上います。空港まで1時間半の人口は、成田も関空も1500万人ほどです。

 

企業がなければビジネス客はいません。でも、人が住んでいれば潜在的な観光客はいます。つまり、セントレアには観光客が中心となるLCCの 需要はあるはずだと思いますので、セントレアが一大LCC 拠点になれるように期待したいと思います。

 

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